中国=スチレンモノマー市場の見通し
中国では、1月以降にスチレンモノマー(SM)の供給が回復するとの観測から、2021年1月以降の先物相場が下げ基調となっている。しかし、誘導品の需要が堅調に推移し、華東地域の在庫消化が早く進んでいるため、先行き相場が決して弱含むとは限らないとの見方が多い。
供給面では、中国AbelのSM設備が11月21日に再開したほか、韓国のロッテケミカルの設備が1日に再開作業に入った。また、LG化学の設備も足元で70%の稼働率を維持している。さらに足元で定修中の複数の中国国内の設備が12月中旬以降に稼働再開する予定。これらの設備が再開されれば、供給タイト感が後退する可能性がある。しかし、域外品の到着が遅れているうえ、海外のSM設備でトラブルが相次いでいるため、輸入品の到着量は少ない。華東地域のSM在庫は低水準まで減少している。また、トレーダー筋が輸入品の一部を韓国向けに転売していたことも在庫減少の一因に挙げられた。
需要面では、ポリスチレンをはじめ多くの誘導品相場が堅調に推移し、誘導品メーカーの採算が良好なため、設備の高稼働が続いている。
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