中国=LDPE市場の現状と見通し
中国国内の低密度ポリエチレン(LDPE)相場は4月以降、堅調な状態が続いている。国内品に加え、輸入品の売り物も減っており、供給にタイト感が強まっているためだ。
中国では、4月からLDPE設備の定修が相次いでおり、供給に引き締まり感がある。市場関係者によると、4~8月に合計220万トン能力の設備が定修を実施したもよう。これらの設備は華北、華東、華南など広い地域に点在しており、各地域でLDPEの供給に影響が出た。このほか、中国で2020年に新設されたポリエチレン設備は、高密度ポリエチレン(HDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が多く、LDPEは来年初めに立ち上がる予定。
輸入品では、米国のイランに対する経済制裁の影響でイラン品の荷卸しが遅れており、供給タイト感が強い。中国のLDPE輸入は、イラン、サウジアラビア、カタールなどの中東玉が多い。特にイラン品が大半を占めている。
需要面では、3月以降に各誘導品メーカーの装置稼働が回復しており、LDPEに対する引き合いが強くなっている。また、8月に入って農業用フィルム向けの需要も増えており、先行き需給引き締まり感が強まる可能性がある。ただし、10~12月期には中国国内の定修が一巡するうえ、イラン品も荷卸しされており、供給タイト感は後退すると見られる。このため、相場の上げには一服感があるとの情報もある。
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