中国=ポリオレフィンの供給が増加傾向
中国ではここ数年、ポリオレフィン生産の新増設備の立ち上げが続き、生産量が急激に増えている。
ポリエチレン(PE)の生産量は、今年1~3月期が493万6,200トン、4~6月期が469万7,000トンで、合計の数量は昨年上半期(1~6月)に比べ87万7,800トン増加した。ただし、今年上半期は新型肺炎の影響で多くの設備が稼働停止していたため、生産量の伸び率は前年を下回った。
製品別の生産量は、低密度ポリエチレン(LDPE)が年間約230万~288万トンで維持されているが、高密度ポリエチレン(HDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は新増設備が多く、供給量が増えている。2019年のLLDPEの生産量は735万8,600トン、HDPEの生産量が767万9,700トンで、18年比でそれぞれ16.27%、13.49%伸びた。また、20年に計画中のPE設備のうち、HDPEとLLDPEが大半を占めており、先行き生産量がさらに増える傾向にある。
ポリプロピレン(PP)の生産量は、1~3月期が600万1,000トン、4~6月期が611万5,100トンとなった。また、2020年上半期の生産量は前年同期比129万6,500トン増加した。先行き新規設備の立ち上げより、生産量はさらに増える見通し。中国国内の生産量増加により、中国が輸入品に対する依頼度が低下している。
2019年の国内のPP生産量は2,228万100トンとなった。2010~19年の平均伸び率は10.76%。ただし、19年は環境保護問題への対応から稼働停止していた設備が多く、生産量の増加率は平年より低かった。