シンガポール=太陽光エネ輸入を検討
シンガポールは将来的な選択として、太陽光発電による電力の輸入を視野に入れる。同国の発電は現在、約95%が輸入天然ガス(液化天然ガスを含む)を燃料とする火力発電装置により賄われている。こうしたなか、世界的規模で取り組みが進む2050年以降の二酸化炭素排出量ゼロの目標達成に向けて、シンガポール政府は再生可能エネルギーを利用した発電を拡大する計画だ。日照時間が長いという東南アジアの特徴を生かし、特に太陽光を利用した発電に期待している。 エネルギー市場監督庁(EMA)は、シンガポールの太陽光発電能力を2030年までに少なくとも2ギガワット(需要ピーク時)に拡大する計画。同国の2019年の太陽光発電量は260メガワット、2020年は年初の見通しで350メガワットに増えるとの見方が出ていた。2030年までに2ギガワットの発電能力を確保できれば、その時点で約35万世帯の電力需要を賄うことができると試算されている。 この達成のため、国内的にはソーラーパネルの拡充を進める。屋上や貯水池/海洋の水面だけでなく、建物の側面にもパネルを設置する。さらに、太陽光発電による電力の輸入も視野に入れるという。昨年11月に、豪州北部から海底ケーブルでシンガポールに太陽光電力を供給するという壮大プロジェクトが豪州事業化から発案されたのは記憶に新しい。ただこのプロジェクトはその後、採算リスクが大きいとの理由で棚上げされたと報道された。 |
シンガポール : 萩本 智史 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.