シンガポール=低炭素化に向け水素事業に着手
シンガポール政府はエネルギー燃料の低炭素化に向けた取り組みに積極的な姿勢を見せている。政府は今年3月上旬に、気候温暖化への取り組みとして、同国の地球温暖化ガス排出量を2050年をめどに2030年の半分(二酸化炭素換算で約3,300万トン)まで削減する方針を明らかにしている。 こうしたなか、シンガポールではこのほど、地元大手企業と日本企業が低炭素社会に向けたクリーンで持続可能なエネルギー資源事業として、水素の共同開発について覚書を締結した。地元企業は世界最大手の港湾運営会社PSA、多目的ターミナルを運営するジュロン・ポート、都市ガス供給会社シティガス、政府系複合企業セムコープ・インダスリーズ、LNG(液化天然ガス)ターミナル運営会社シンガポールLNGコーポレーションの5社。日本企業は千代田化工建設と三菱商事の2社。 技術面では主に千代田化工が開発した水素の貯蔵と輸送技術(SPERA水素システム)の実用化が中心となる。この技術は常温・常圧で水素を運び貯めることを可能にするもの。また三菱商事は原料となる水素の輸入など商業的な事業推進に協力する。 |
シンガポール : 萩本 智史 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.