中国=新型肺炎によるオレフィン市場への影響
中国では新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大しており、政府が旧正月期間を延長する事態になっている。多くの人が出社することができず、産業に深刻な影響をもたらしている。専門家は、新型肺炎が収束するまで最低2~3カ月かかると伝えている。既に日常生活での消費が大幅に落ち込み、中国国内のポリマー樹脂および合成ゴムの最終製品の需要も減少すると見られている。現時点で多くの石化メーカーが稼働停止または減産状況にある。ただし、上流に比べて川下設備の減産が目立つ。先行きの中国国内の原料供給にも余剰感が強まりつつある。
製品別でみると、エチレンは国内の流通量が多くないため、影響は軽微。ただし、多くの誘導品メーカーが製品の運送を止されており、消費は鈍い。プロピレンは、複数の誘導品メーカーが減産または稼働停止しているため、需要が減少している。これにより、国内品の供給に余剰感があるうえ、輸入品の引取り量も減っている。一部市場関係者によると、先行き中国のプロピレンの輸入量が50%減少する可能性があるという。ブタジエンでもタイヤメーカーの生産復帰が遅れており、合成ゴムの需要が減ると見られる。
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