記者の眼記者の眼

第95回 (2020年6月10日)

 

 昨年9月にタイ・プーケットに行ったな。その時の日焼け跡がすっかり消えた腕を眺めてはしみじみ思い出す。いま自室で感じる日の光にはあの時の眩しさや暑さはなく、鬱々とした気持ちで買い置きのカップ麺のトムヤムクン味をすすった。

 

 新型コロナウイルス対策のため、在宅勤務になり約2カ月が過ぎた。外出はスーパーへの買い出しくらいで、電車やバスにはしばらく乗っていない。夜間の飲食店は感染リスクがあり、友達と飲みにも行けない。この間ほぼ化粧もしていないし、おしゃれな服を着ることもない。唯一の楽しみは食べることで、2キロほど増量した。

 

 525日、ついに東京都でも緊急事態宣言が解除され、「ようやく日常が戻る」と安堵したのも束の間。東京や北九州市で感染者数が再び増加し、懸念が再燃している。

 

 私たちが「いつもの夏」を迎えられるのはいつだろうか。6月の国際線では、すでに日本航空が96%にあたる4,513便を、全日本空輸が91%にあたる4,671便を欠航すると決めた。自身が担当する石油製品市場では、ジェット燃料の大幅な需要減を嘆く声がしきりに聞かれる。45月は前年の23割ほどに留まったようだ。6月も同程度となる可能性が高い。

 

 最近の楽しみは、友達とのオンライン飲み会。「次はベトナムがいいね」「国内なら北海道かな」など、コロナ収束時を思って提案し合う。心配なく飛行機や新幹線に乗れる日が来ることを願い、テイクアウトの生春巻きを頬張った。

  

(和氣)

 

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