記者の眼記者の眼

第94回 (2020年5月27日)

 米国のWTI原油先物市場で、420日に史上初のマイナス価格を付けてから、1カ月が経過したが、直近では30ドル程度で推移しており、市場も平静に戻ってきている。私が担当している電力市場を見ると、海外では処理しきれない余剰電力をマイナス価格で販売する動きが稀に見られているが、現物資産の原油でまさかこうしたことが起こるとは大変な驚きだった。

 

 新型コロナの影響により、エネルギーの世界はもとより、我々の社会生活にも様々な変化が生じてきている。それまでは当たり前だった通勤が出来なくなり、自宅でのテレワークを強いられていることもその1つだ。会社じゃないと出来ないと思っていた業務が、自宅でも可能となるなど、今では自宅にいながら会社にいるときとほぼ同じ環境で仕事が出来ている。技術の進歩の凄さに感心するばかりだが、様々な状況変化にも柔軟に対応していけるか否かが、企業や個人が生き残っていく鍵なのだろうと思う。

 

 新しい発想や発明は、厳しい環境の中で生まれることが多いし、ピンチを乗り切ったときに新たなチャンスを掴むことも多い。厳しい試練を乗り越えた先に、素晴らしい未来が待っていることは歴史の常だ。今は世界中が一丸となって、厳しい試練をまさに乗り越えようとしているときである。柔軟な発想と知恵で、この厳しい試練を乗り越えた先に、どのような未来が我々を待っているか。素晴らしい未来を信じて、今日も自身の業務に邁進していきたい。

 

(本間)

 

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